君が好き




放課後。



「なぁ葵いる?」


どうして?



私の横には不機嫌な麻依。




麻依の不機嫌な原因は…。



「ちょっと、瀬川どういうつもり?」


私の目の前には大地がいる。


「野沢に聞いてねえし。俺は葵に話あんの」


嫌だ…。


「とりあえず俺のクラスんとこまで来いよ」



怖い…。

「麻依…私行ってくるから」

麻依は何かあったら
すぐに逃げないとダメだかんねって言ってた。


分かってる。




私は自分の教室をでて
大地に着いて行く。




―カチャ―


誰もいない
大地のクラスの教室は
日当たりがよくて
夕陽がカーテンに差し込んでいた。


「なあ、なんで連絡しても出ないんだよ」



連絡?


あっ…。


私はずっと電源を落としてたケータイのボタンを押して電源を入れてみた。


唖然とした。



異様なほどの回数のメール。

着信は大地でびっしり。



どうして?
だって大地は…。


「お前俺を裏切る気かよ?」


裏切る…?

「なんとか言えよッ!!」



―バシッ…―



今…何が起こったの?



全身に降りかかる痛み。













―ガラガラッ!!―