―ガチャッ



「あんた、あたしの事何だと思ってんの!?」



「幼なじみ」


うぐっ!!



絶対あんたとの関係を”カレカノ”にしてやる!



見てなさいよ、亮!



「見てなさいよ!」


「…はあ?」


…ドカッ…!




亮の背中を両足ジャンプキックをした。

そのまま亮は前に沈没した。


それを見たあたしは大満足。


「もう二度とあたしをパシリにしないでね?」

亮にニコッと微笑みかけた。


あたしがなりたいのはパシリなんかじゃなくて、カ・ノ・ジョ・なの!


「はいっ、肉まんっ!」

あたしは亮の倒れた目線に合わせるために屈み、可愛らしく首を曲げた。



そして…「バタンッ!」と扉を勢いよく閉めた。



「…首なんか曲げたって全然可愛くねーよ、童顔!」


…亮さん…バッチシ聞こえたよ…?



「カチャッ」

「なんか言った?」


「…なにもぉ?」


知らん顔して言われた。

ムッカツク!

人が気にしてる事を言いやがってぇ!



もうほんと何で好きなんだか…。

気づいたら好きになっていた。



でも一つ分かってる事がある。


それは…

「なぁ新しくCD借りてきたんだけど一緒に聞かない?」


「…えっ!?」


「…嫌なら良いけど…」


「聞くっ!」


「よし聞こうぜ!」

って言って笑顔を向けた。

一つ分かってる事は…

「…うっ…うん…」


…亮の笑顔にあたしが弱いって事。