ウルウルした眼で上目遣い。

男でも女でも行けそうな男だ。
そう思った美空だった。

「ど、どうしました?」
少年に一歩近づいて言う。

「んっ。
 ねぇ………




 おねーさん家『住ませて』?」


「あ゛!?」

美空は反射的にそういった。

ビクゥン!!

「スミマセン・・・」
「いや、いいよ!
 君、家は?」


「逃げてきた。」
まるで、思い出したくないように
顔をゆがめながら少年は言った。