Perfume〜時の調香師〜

魔女はアナスイの話を聞いて、薬をくれた。
人魚から人へ‥変われる薬を

魔女は‥‥


「アナスイ‥いい?歩くたびに、ナイフに刺される痛み血のにじむ苦しさがあるわ。けれど軽やかに、美しく歩いて見える、」


「ナイフ‥」


「二度と‥二度と人魚姫にはもどれなく、もし王子が他の女性と結婚したならば‥‥」


「したならば?」


「おまえは泡になり‥海にきえるだろう。」


仕方ない話だ。
だがアナスイは承知した‥王子につたえたかったから


「代金は‥声だ。」


アナスイの声はきれいで、優しい声だった


「さぁ薬を飲みなさい。」


ゴクッ‥ゴクッ

「っ‥!!!!あつい!」

張り裂ける痛み、苦しい気持ちただそれだけだった‥‥


思いと願いをこめて‥地上にうかんでいった。