Perfume〜時の調香師〜

気がついたら、あの貧しい家の前にいた。


「きになってしかたない。」


また声をかけてみた。

「すみません‥」


「はい。」


今度は母親ではなく、木こりの父親だった。

「すみません‥あの兄弟いますか?」

「ヘンゼルとグレーテルですか?」


ヘンゼルとグレーテル?
おい…おいまぢかよ。あの童話の中の2人じゃんか。

「あーはい!!」

「留守にしてますが‥」
「そうですか‥」


何故か…ふにおちない。外にでて、あたりを見渡すと、小さい石ころが転々と続いている。

「なんだこれ?森の中に続いている」

「‥何か?」

「あっ…いえ。二人がいないなら失礼します。」

きずかれないよう石ころをたどっていった。森の奥まで続いている‥‥


多分あの兄弟がなんだかの理由で落としていったのだろう。

俺は石をたどり、森の中を探した

いた‥

170センチある兄をさがすのはそう難しくはなかった

「君たちは‥ヘンゼルとグレーテル?」


「ヘンゼルお兄ちゃん。私達をしってるわ」

「ああ…グレーテル」

童話できくような可愛らしい面影はない兄だ‥

「こんな森深く、なにをしてるんだ?」

「まってろといわれたのよ。お父さんに」


ああ‥話では捨てられるのか…

「帰ろう。一緒にさぁ…」


俺は2人が落とした石をたどって、家に戻したが‥次の日また2人はいなかった。