遊園地を出ると、携帯が震えた。


「もしもし?」


『美卯!?何で乗らなかったの?』


「……遥、私気づいてるの。遥は軽く背中を押せば告白できるって…。」


『え……』


「チャンス、作ってあげたんだから言いなよ?

もし言わなかったら…もう手伝えない。」


『……わかった。美卯、ありがとう。』

遥はそう言って、電話を切った。


私は後ろを振り返り、観覧車を見る。

「………」

無言のまま前を向き直し、唇を噛みながら駅に向かった。


そうしないと、私の中の何かが、壊れてしまいそうだから…