hair salon 『K』


…事務所には黒田さんがいるけれど、この空間には私と涼太しかいない。


だから、必然的に、涼太の顔を赤くさせてるのは私だってわかって…



そう思うと、何とも言えない不思議な気持ちになった。


「……面白い」


私の中には、嬉しいよりも、嘘でしょ?っていう疑問よりも、涼太が私のことで頬を赤らめる姿がなんだか可愛くて、面白くなってきた。

「は!?お前、面白いって何だよ!?」


威勢よく涼太はそう言うけれど、その顔はまだ赤くて…


「可愛い…」


「何言ってんだよ‼」


ますます顔は赤くなる。


どんなことを言えば、どんなことをしたら涼太の顔は赤くなるんだろう。


そんな思いからじりじりと私は涼太との距離を詰めていく。


「あ、茜?」


「………」


「茜‼」

涼太は慌てて逃げようとする。


「涼太…私…」


私は足を止めた。