hair salon 『K』


お会計を済ませた麻百合さんを外でお見送りする。


「本日はありがとうございました」

私がそう言うと


「…疑問に思わないの?なぜ、あなたを指名したか…」


「正直、思います。何で私なのか…」


「気になってることは、それだけじゃないでしょ」


私は言葉を詰まらせた。


もう一つの気になること…


『涼太とのデートはどうなったのか』


「………」

私が黙っていると

「図星ね…」


「…聞いてもよろしいんですか?」


「聞かれても答えないわ。だって私と涼太のことですもの」


「………」


「そうね、でも…」

麻百合さんは空を見上げた。


「もうちょっと前に、あなたにカットしてもらえば私の恋も…」


「え?」


「何でもない‼

私、今日……やめた。やっぱり言わない。」