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「マジ?」



あの日と
同じ言葉。
でも、
あの日のあどけない声じゃなくて、
低くで
蔑んだような声。



「困るんだよね〜、そーいうの」


……ねぇ?

ここにいるのは、
本当にセンパイナノ…?


「ねえ、いつから?俺のこと好きになったの」

「…文化祭の日……デス」

「……ああ!あの時から?
マジかあー。やっぱそうかー。俺が笑顔でアド聞いたら好きになるんだ〜」


ねえ……。
アナタワダレ?

「ごめん!それ受け取れないや、あと…君の俺に対する想いも!」


先輩はあたしに笑顔でウインクすると、
ケータイを取り出し、
誰かに電話をかけながら
あたしに背中を向けて
歩きだした。

"ごめん、今から行くわ。ん?ああ、告られた!ああ、うん、もち振った!まぢウケルよ"


そんな会話を
あたしが聞いているなんて
気にもかけずに。



「……バカみたい…っ」



ねえ?
あたしは
あんな人のために
頑張ってきたの?

どうして、
今まで気付かなかったんだろう?


違う、
あたしが
信じなかっただけだ。

"澤波先輩は何人もの女を泣かせてる"
ってウワサを……。