「あーあ、センパイまたやっちゃいましたね。」



ニマニマしながらこっちに
近づいてくるのは




「でも、センパイと長くいられるからいいんですけどね♪」



このお調子者の橘くん。




「別にあたしが掃除をしている間、いなくていいんだから、さっさと帰ったら?」


「イヤですよ!」




・・・・・・・・速答ですか。




「何度言ったら覚えてくれるんですか?俺はセンパイが好きなんですよ!」




覚えてはいるけど・・・・




「学校でしか会えないんですから、家に帰りたくなりませんよ。」


「橘くん、一途ねぇ〜。」




志緒は感心しているけど
あたしにしてみれば
この子が不憫でならない。




「あのね、橘くん。あたしにいくら告白しても結果は同じ。Noだから!」


「わかってますよ。


だから、少しでも一緒にいて俺のことを分かってもらうんです。」


「はぁ・・なんてポジティブでひた向きなの!あたし感動したわ。」




感動って・・・完全に騙されている志緒。




「一途とか、ひた向きとか、どうせ今だけでしょ。」



だって彼は




「俺はそこからは足を洗ったんです!!」


「そんな言葉、女を落とすための女たらしの常套句にしかすぎないでしょ?」




そう、根っからの女たらしなのだ。