苦笑いをしながらフと時計を見ると



「あ"―――!!!」


「っっっ!な、何よ??!ビックリするじゃない。」


「志緒行くよ。時間がない。」


「え?あ・・本当!!いそがないと。」








*‥*‥*‥*‥*



「こんにちは〜!」


「「「こんにちは!部長、副部長。」」」


「何とか間に合った。」



ここはあたし達演劇部の部室。



ちなみにあたしが部長で、志緒が副部長。



安心して中に入ると




「間に合った?」



ドスのきいた声がすると
思ったら



バシッ!



「ワッ!!」



竹刀を床に叩きつけて出てきたのは部のマネージャーの高杉 舞紀。



「お二人には何度申し上げれば、遅刻をしないのでしょうね。」


「いや、でもね舞紀。教室からはいい時間に出てきたんだよ。でも、ファンがね・・・」


「そうですか、ファンのかた達に囲まれて動けなったと?」



ニッコリ微笑む舞紀。



「すいません。嘘です。」



その微笑みをされては怖くて嘘なんかつけません。




「ファンには後を追い掛けられただけです。」


「はぁ。お二人とも罰として、部活が終わった後の掃除をお願いします。」



メガネをクイッとあげ、それだけ言うと舞紀はみんなのところに戻っていってしまった。




あたしは志緒と顔を見合わせ、肩をガックリと落とした。