腕を組み不服そうに笑っているのは橘くん。



「だって、雪先輩はみんなのですよ!橘先輩だけなんてありえません。」


「ありえないも何も、もう雪センパイは俺のもんなんだから、邪魔しないでね。」



彼女達を押しのけあたしのもとへ来ると肩を抱いた。



「ちょっと、人前であんまりベタベタしない約束じゃなかった?」


「おはようございます。センパイ。今日もカワイイですよ!」



話を聞け!!!



さっきとは一変、完璧な微笑みをあたしに向ける。


女の子達も思わず頬を赤くする。



「それに、これは俺の中ではベタベタなんて言いませんから!」


「君の意見なんて聞いてないし・・・」


「そのわりに嫌がってないじゃないですか。」



なっ?!カァーッと赤くなる顔を見られたくなくてすぐにそっぽを向くあたし。



いくら彼氏が出来たとしても、素直になることは当分無理だろうなと思ったら



「あ、なんだ?あれ。」



橘くんが急に校門のほうを指差したので、皆後ろを振り向いた。


あたしも顔をあげると



目の前には橘くんの優しい微笑があった。



すると次には優しい口付けが降って来た。


















「センパイ、ずっと大好きです。」


















fin