これがセンパイのタイプ・・・



鏡を凝視する俺に志緒先輩は一冊のメンズヘア雑誌を差し出した。



「前にね、この雑誌をあたしが読んでた時に」





《あ、この髪型イイ!》


《これ??なんか、ありきたりじゃない?》


《そっかなぁ・・・でも、ありきたりが似合う人ってカッコ良くない?》





「って言ってたの。だから、秀明君ならきっと雪のタイプになれるよ!!」



あとは性格ねぇと言いながら考えている先輩をよそに俺は



早くこの姿をセンパイに見せたくてうずうずし始めた。



でもその前に今日のことを謝らなければいけない。




はぁ・・・許してくれっかなぁ。




鏡の中の落ち込む自分を見ると
尚更不安になってきた。



「一番手っ取り早いのは、その軽いイメージを壊すことね。そして爽やかなイメージを雪に植え付ける!」

「イメチェンっすか?」


「ほら、その"〜っすか"ダメ!それから、爽やかはスポーツ、そしてスマイル♪」


「スポーツ・・・俺汗かくのイヤですよ!スマイルって・・・男は意味ありげにニヤッとした方が女の子には刺激になるじゃないですか。」

「甘いわね。これだからタラシ君は。」




そう言ってため息を吐く先輩。