歩いていくと、前に結維の姿が見えてきた。


「結維!!」



僕が遠くから手を振ると



結維がこっちを振り向き
小さく笑った。


すると隣から真実さんの
顔が出てきた。






「あれ、あの……どうして?」



二人の傍に行き真実さんに尋ねると




「神田さん。ちょっとご相談があるんです。」



「はい。じゃぁそこの喫茶店にでも入りますか。」




結維は不安そうな顔をしていた。









「それで、相談とは。」



店に入り席につき話を聞いた。



「はい。…ほら。」


「うん………。」



真実さんが結維をこづくとそれまで俯いていた顔をあげ話しだした。




「あのね、功一さん。あたし、一ヵ月前からストーカーにあってるの……」



「え……ストーカー?」



ストーカー……?


結維が……?




一ヵ月前といえば丁度結維の様子が変わってきたときだ。



「私は、すぐに神田さんに話したほうがいいって言ったんですけど……」




そうか、それで……


一緒にいてもうわの空だったのは、そのことについて悩んでいたから


電話の数や泊まる回数が減ったのは自分の様子が変わったことを知ってほしかったからだったんだ。



避けられていたんじゃなかった


僕に気付いで
ほしかったんだ………



「ごめんね。結維。……仕事を理由に全然気に掛けてあげられていなかった……」