必死に涙を拭ってるけど一向に止まらない涙……



この涙は僕のせい………


かな……



「結維、どうした?」




優しく抱き締めて聞いてみると



「もうこんなふうに一緒にいることが…出来ないのかなって、思ってたの…」



結維も僕と同じことを考えてた?



「そんなことないよ。僕達はずっと一緒なんだから。」



背中をさすりながら言うと結維はコクンと頷いた。


そして少し間を置いてから話し始めた。




「ずっとストーカーが怖かったの。ときどき1人で歩いてるときに…ついてこられたり

あたしの写真が送られてきたり

無言電話があったり……


怖くて不安で辛くて、言いたかったけど…迷惑かけて嫌われたくなかったの……。」



震えて泣いている結維……



僕は結維の何を見てきたんだろう……


しっかり見てあげていれば結維がこんなに辛い思いをしなくてすんだのに………


本当なら恋人の僕が一番に気付いて守ってあげなければいけなかったのに……


"大丈夫" "僕がついてる"



そういう言葉をかけてあげればよかったのに………



僕は結維を抱き締める腕を強めた。




「嫌いになるわけないよ。自分でも呆れるほど君を愛しているんだから…

それに、ごめんね。君の変化にいち早く気付いてあげなければいけなかったのに…」