動いていた足を止め
独り言のように呟いた。

でも、それは
流される事もなく

隣に居る人が返事をした。


「まだ言ってんの?」


私と違って満足気に。


「もう、翔!」

「何がそんな不満なんだよ」


人が行き交う町の中で
私と向き合うように立ち
爽やかな笑顔を向けてくる。


何年たっても変わらない。



「今更嫌なんて言っても、もう遅いぞ?」