「…暗いな」





外に出ると、もう真っ暗で、空には星が出てた。





「…でも、きれい」




「…そうだな」







「亜矢の母さんに謝らないとな」





「なんで?」





「こんな遅くまで連れまわしてすみませんって」





「そんなのいいよ。光輝のせいじゃないもん」





「いいからいいから。
ちょっとでも仲良くなっときたいし」






「なんでぇ?」





「…将来のために」



……え。
これって、あたしにはプロポーズに聞こえちゃうんですけど。
…あたし、間違ってる?


「…それって…あの…」





「…高校卒業したら、結婚しような?」



や、やっぱり!!
きゃー。どうしよう。
あたし、もう死んでもいいや。



「…う、うん!!
約束だよ!?絶対だからね!?」




「…はいはい」





呆れたようにそう言って、とびきりの笑顔を見せてくれた。






この時、あたし達は、すっかりアノ人の存在を忘れてたんだ。