―――――キーンコーンカーンコーン



ちょうどチャイムが鳴った。


「後でじっくり聞かせてもらうから!」

そういって、早紀は前をむいた。

ST中に考える。

『好きじゃない』とはいったものの、自分でもよく分からない。

あたし、恋愛経験ゼロなもんで、どうゆうのが『好き』なのかとか、よく分からない。



――――――ガラガラっ


「神谷、遅刻はよくないぞー」

シーンとした教室に、先生の声だけが響く。


「…すみません。ちょっと、朝から頭が痛くて、保健室行ってたんです。」


「そ…そうか。大丈夫か?
それはしょうがないな。」


「はい。すみません。」