[光輝side]




亜矢が怒ってる意味がわからない。

前に、“亜矢の事なら何でも分かる"なんて言ったけど、実際何にも分かっていなかった。


俺は自惚れすぎていたのかもしれない。



“キスしたくない"そう言われたのはさすがにショックで、まさか亜矢の口から大嫌いなんて言葉が出てくるなんて思ってなかった俺は、泣きそうになっている亜矢に何も出来ないでいた。


でも、気づいた時には身体が勝手に動いて、ステージから降りようとする亜矢を引き寄せてキスしていた。






どんどん深くなるキスに、亜矢が苦しそうに顔を歪め、俺の胸を叩いた。



唇を離して亜矢を見つめる俺。




「…大嫌いとか言ってんじゃねぇよ」


そう言った俺を見上げた亜矢の目には、今にもこぼれ落ちそうなほどたくさんの涙が溜まっていた。