｢ん…こう…き｣


苦しくなって光輝の胸を叩くと、やっと離れた唇。



真っ直ぐあたしを見る瞳に、あたしは目を逸らせない。

そして、

｢…大嫌いとか言ってんじゃねぇよ｣


そう言った光輝は、いままでに見たことないぐらい悲しそうな目をしていた。



今なら…ちゃんと言える。




｢あ…あのね。

恥ずかしかっただけなの…。

それに…大嫌いなんて…思ってないよぉ…。

ご…ごめんね…｣



｢わかったから、泣くな｣



光輝はあたしの頬を流れる涙を優しく拭った。



それでも流れ続ける涙に、光輝は優しくキスをした。




｢俺の方こそ…悪かった｣




｢…うん｣


あたしはそう言って、ニコッと微笑んだ。


ギュッと抱きしめられて、また涙が流れた。