あの事件から時は過ぎ、今日から2学期だ。


あたしは光輝の家の前に立っている。

光輝は1週間前に退院して、今日からまた学校に通う。



それが嬉しすぎて、いつもは光輝が来てくれるんだけど、今日はあたしが光輝の家まで来てしまった。



って言ってもお隣りさんなんだけどねっ。




ここまで来たはいいものの、なんかチャイムを押す勇気が出てこない。




「ん゙〜〜……」




一人突っ立って唸っていると、ガチャっと玄関の扉が開いた。





「あっ!光輝!」





光輝は1瞬驚いたような顔になり、すぐいつもの笑顔になった。



「亜矢、はょ」




「お、おおおはようっ!」



いきなり光輝が出てきたから、あたしの方がテンパってしまった。




「行くぞ」



光輝はあたしを置いて一人で歩いて行ってしまった。



って、おいっ!彼女を置いてくなー!!



「待ってよ光輝〜!!」



あたしは急いで光輝の隣まで来た。




「もぉ!なんでおいてくのよぉっ」





「亜矢が来ないからだろ?
それより、なんで今日は俺ん家の前に居たんだ?」




「え、えーっと…それは…」




『光輝と学校行けるのが嬉しくて』
なーんて、言えるかコノヤロー!!

そんなこと言ったらまたからかわれるに決まってる。