優衣の姿が見えなくなって、あたしは病室にもどった。





相変わらず目を覚まさない光輝。







ねぇ。知ってる?




光輝は気づいてないと思うけど、今日は、あたしたちが付き合ってちょうど1ヶ月の記念日なんだよ?




だから、今日はちょっとおしゃれしてきたんだ。

早く、いつもみたいに、
『かわいい』って言って、笑ってよ。



あたしは、光輝の手をとって、そこに優しくキスをした。


こんなことするキャラじゃないけど、記念日だから、ちょっとぐらいいいよね?







そのとき。








「……ぁ…や…」





「……え?」



今、喋った?
『亜矢』って…言ったよね…?




「っ光輝!?
分かる!?あたしだよ!!
亜矢だよ!!!」




「…亜矢」






やっと、やっと起きた…。

もうすでにあたしの顔は涙でぐちゃぐちゃだ。




あたしはナースコールでお医者さんを呼んだ。





少しすると、お医者さんがやって来た。