愛し合い、疲れて眠って
しまった舞里。



乱れた髪が顔にかかりせっかくの可愛い顔が隠れている。



俺は髪を払い、額にキスを
落とすとシャワーを浴びに
バスルームへ向かった。








シャワーを浴び、部屋に戻ると、携帯が光っていた。



「はい、もしもし?……親父か。」



電話の主は親父だった。昨日の件だろうか?



『昨日、盗みに失敗したようだな。』



「あぁ、お姫さまが眠ったもんだから。」



『…舞里ちゃんか?』



「あぁ、仕事で鉢合わせ。」



『バレテないだろうな?』



「大丈夫だよ。」



『ま、せいぜい仲良くやってくれ。じゃ。』



プチッ!




「ふっ………」



言われなくても仲良くやってるよ。





テレビをつけると昨日の話題で
持ちきりだった。




『名画はこの通り無事でしたが、彼はわたくしの心を盗んでいってしまいました…。』



『姿は見たんですか?』



『えぇ、月をバックにしてとても言葉では表せないほど美しかったわ……』



「一度はそんなセリフ舞里に言ってもらいたいよ…。」



「何が?」


俺があきれ顔で言うと、後ろから舞里が顔を出した。



「わっ!!!お前、ビックリさせんなよ。」



「悪かったわね!それよりこれゴーストのことよね?」



ブチッ!




「え、何で消すの??」