〜銀の羽衣と雪の美女〜

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「おしまい。」


「お母さま、ユキコさんは死んじゃったの?」



ベッドの上で、美しいブロンドを揺らしながら聞いてくるロイック。



青い瞳は涙を含み潤んでいる。



母は息子を抱きしめ、ゆっくり話し掛けた。



「そうよ。ユキコさんはね、吉之助の温かい心に包まれて、溶けてしまって雪になったの。」


「温かい心?」


「そう。ロイックもリサにプレゼントをもらったら心が温かくならない?」


「なる!あとね、リサを見ると胸がドキドキ言うの!」




え?それって・・・・・・・



思わぬところで、息子の初恋の存在を知り、驚く母。



と、そんな時に




ガチャッ




「あ、やっぱり。ここにいたんだね。」



ロイックの髪の毛と同じ、ブロンドヘアをなびかせ歩いてくる人物。



ロイックは傍へ駆け寄ると飛び付いた。



「お父さま!!お帰りなさい!」


「お帰りなさい、あなた。」



息子には、頬に。妻には唇にキスを落とす男性は、ロイックの父であり、この屋敷の主人。



「例の雪女の話かい?」


「えぇそうよ。」


「お父さま知ってるの?」


「もちろんだよ。お父さまもお母さまに聞いたし、私たちが出会った場所はスキー場だ。雪女とは縁があるのかもしれないな。」


「でも、すごく寂しいお話だったよ。」



ロイックはシュンとした。