その後も、雪子と吉之助は色々な話をしました。
そしてご飯を食べ終わり、寝る時間となりました。
「雪子は布団で寝ろ。」
「それではあなたが・・・」
「俺のことは構わないでいい。雪の中にずっといたんだから、体が冷えてるだろう。」
「それだったらあなたも。」
「くどいぞ。女は体を大事にしろ。男なんて、一晩くらいたいしたことない。」
言われるままに、雪子は布団で、吉之助は床で寝ることにしました。
(どうして?どうしてあなたはこんなにも優しくしてくれるの?)
雪子は少し離れて眠る、彼の背中をジッと見つめていました。
そして夜中。
ふと目が覚めると、吉之助が腕をさすっているのを目にした。
それを見た雪子は起き上がり、かけ布団を吉之助にかけた。
「ん?・・・雪子。」
「私のために、あなたが寒い思いをする必要はありません。私は寒いのは平気なんで敷き布団さえあれば大丈夫です。」
そう言って敷き布団に戻った。
(朝になったら、ここをぬけだそう。)
雪子は吉之助から魂を奪うことを諦めました。
そして、眠ろうとすると
「お前は本当にバカな女だな。」
という声と同時に、暖かい温もりに後ろから抱き締められた。
腕の中で振り向くと、吉之助が抱き締めてくれて、二人をかけ布団が温めてくれていた。

