「それで、したことないって言ったんだ。」
あの後、功矢を説得して戻ってきた二人と夜ご飯を食べて、今は功矢と亜結は夢の中。
「うん。」
そしてあたし達は、テーブルでコーヒーを飲みながら、さっきの功矢の話をしていた。
「功一さん。嘘はダメだよ(笑)」
「嘘なんて・・・言ってないよ。」
今さら何を強がっているのか・・・
あたしも付き合ってから知ったけど、功一さんは見かけによらず、ヤキモチを焼くことが多いんだよね。
「だってあれは、しつこく君に話し掛けて、連れていこうとしたから・・・」
「それが、ヤ・キ・モ・チって言うんだよ。」
って言うと、功一さんは口を尖らせた。
「でも、そんなところが似るなんてねぇ。顔はどっちかっていうと、あたし似なのに・・・」
亜結と功矢は成長するに連れて、あたしに似てきたのだ。
「まぁ、顔なんて高校生ぐらいになるまで変わっていくよ。性格は・・・功矢の恥ずかしがり屋な面が結維に似てるよ。」
「本当だね。一生困るだろうなぁ。」
あたしが笑うと、功一さんも笑った。