静かに部屋に入ると



亜結と使っている二段ベッドの中でまるまっていた。




「功矢?」



ベッドに座り、まるまっている背中をさすると、功矢は起き上がって、抱きついてきた。




「ごめんなさい。ほんとうはね、おとうさんのことキライじゃないよ。」


「あぁ。わかってるよ。おとうさんも、ちょっと言い過ぎたよ。」



そう言って、僕も抱きしめた。



すると、ハハッと功矢は笑い、"おとうさんダイスキ!"と言ってくれた。



どうやら、大声で叫んでスッキリしたらしい。



功矢はどうして、機嫌が悪かったのか話してくれた。




幼稚園でのこと──────

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功矢は1人でブロックを出して遊んでいた。


すると、女の子が隣にチョコンと座った。



「こうやくん。なにつくってるの?」



その女の子は沙良ちゃんという子で、実は功矢が好きな子だったのだ。



「・・・飛行機だよ。」


「えぇ?!すごいねぇ、こうやくん!さっちゃんつくれないんだぁ。」



すごいねぇと言われ、照れる功矢。



功矢はどっちかというとシャイで人と話すのも苦手なのだ。だから、こういう時は俯いてしまい、何も喋られなくなる。



だが、いつものようにそうしてしまった途端



「ねぇ、さっちゃん。あっちで僕と一緒にお絵かきしない?」


「うん、いいよ!」



と言って他の男の子と行ってしまったのだ。




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