そんな姿の私を笑いながら駆け寄ってきた。



この間と違って今日は白衣を着ている。お医者様だぁ…。


「こんな所まで来るなんて大変だね。」



「いえ。仕事ですので。」



恥ずかしくなってしまった。



「そういえば、どうして僕の名前を?」



「あ、この間来たときに名刺をお忘れになりましたよね。」



神田さんはちょっと考えて、あぁ!とした顔をした。



「それじゃぁ、君の名前も教えてもらってもいい?」



私の顔を覗き込み、その整った顔で笑いかけてきた。



「あ、はい…私の名前は宮本結維です。」



恥ずかしくて俯いて言った。



「結維かぁ、いい名前だねぇ。歳は?」



「まだ19歳です。高校卒業してすぐに就職したので。」



「そうなんだぁ、じゃぁ僕より6歳下なんだ。」



確かに見た目からして年上なのはわかったけどまさか6歳もだったとは…。



「あ、おじさんだと思った?」



ちょっとムッとした顔をして言って来た。



「い、いいえ!6歳も上なんだなぁと思って驚いただけです。」



「まぁ、6歳差なんてたいしたことないさ。」



神田さんは何かボソッと呟くと後ろの方から看護師さんに呼ばれた。



「じゃぁ、またね。結維ちゃん。お店行くから。」



そう言って走って行った。