一週間後―…



今日も朝から大忙し。予約されていた結婚式用の花や、お誕生日用の花束など大きな花束の配達をした。



そしてその配達先の中にはなんと、神田さんのいる病院もあった。



もしかしたら会えるかも。とちょっと期待をしつつ行った。



(あ…でも忘れられてたりして。あれから一週間経ってるし…。)





「こんにちはぁ。皆川フラワーショップでーす!」



患者さんの病室へ行くと、ご家族の方とベッドに眠るおばぁちゃんの姿があった。



「あ、ありがとうございます。今眠ったところだったからよかった。」



「…?起きていたほうがいいんじゃないんですか?」


花束を奥さんに渡し聞くと



「あ…、今日は母の誕生日で眠った後起きた時に、あっと驚かせようと娘の提案で…」



「そうなんですか。」



その娘さんを見てみると、おばぁちゃんの傍にイスを置いてちょこんと座っている。



「おばぁちゃん思いの子なんですね。」





そんな微笑ましい家族と別れ、病院の玄関に向かっていると



「お花屋さん。」



「え?」



もしかして、そう思い後ろを振り向くと



「あ、神田さん!」



嬉しくてつい声を大きく出してしまった。急いで口を手で隠すと



「こんにちは。今日は配達ですか?」