私は嬉しくなって顔が潰れるくらいの笑顔で言った。



「それじゃぁ。」



彼はそう言うと自分の車に乗り、帰っていった。



いい人だったなぁと思いながら、店のなかに戻るとテーブルの上に名刺が置いてあった。



「あれ?忘れたのかな?」



名刺を手に取る。



(神田 功一…さん。仕事は…お、お医者さま?!)



しかもその働いている病院はこの近くではとても有名な神崎総合病院だった。



「すごいなぁ…お医者様だったんだぁ…」



(確かに若い方にしては言葉や身なりが整っていたし…なるほどぉ。)



1人で納得していると



「結維、今日はもう閉めましょう。それから、明日の予定だけど…」



真実さんが螺旋階段を降りながら言っている。



さぁ、もうひと頑張りだぁ〜!腕を上に伸ばしのびをして気合いを入れる。