(あ、アガパンサスだ!)



これは神田さんと最初に出会ったときの花。



懐かしい…つい1ヶ月ぐらい前の出来事なのに……



そう思いながらアガパンサスのページを細かく見ていく。



そして次はシクラメン、ホワイトレースフラワー、フリージア…と、神田さんが買っていってくれた花のページを見た。



「え……嘘…。まさか…」



私は読んでいって驚いた。

嘘じゃないかと思い、何度も何度も見返した。



でも…嘘じゃない。神田さんが買っていく花にはみんな意味があったんだ……



どうして、今まで気が付かなかったんだろう…。



神田さん…神田さん……



会いたい…会いたい……



私は無意識のうちに部屋を跳びだしていた。



そして、一本の花を手に取り、外へ飛び出した。








「大丈夫か?こんな夜に飛び出させて。」



その姿を有兄と



「大丈夫よ。それに止めたって行くでしょ。」



真実姉が見ていたとも知らず。



「それにしても、神田さんはキザな人だな。花を使うなんて…」



「本当ね。でも結維は鈍いから、気付くのに時間がかかってしまったけどね。」