さすが真実姉。私のことなんてお見通しだね。



「私…神田さんが好きなの。でも、気持ちを伝えられない…怖いの。あんな素敵なヒト…こうして知り合って食事をする仲にまでなれたのに…」



「…もしこのまま、気持ちを伝えてうまく行かなかったら、私たちの仲はそこで終わってしまう。」



まだ会って日も浅い私たちの仲なんてもろいもの…何かあればすぐに崩れてしまう……



私の話を聞いていた真実姉が口を開いた。



「結維…やっと本物の恋をしたんだね。」



「本物の…恋…」



「結維は高校の時にも彼氏いたけど、そこまで離したくないっていう人じゃ、なかったでしょ?」



確かに今までのヒトはそこまで思い入れはなかった。



「でも…そんなに深く考えなくても、おのずと答えは出るものよ。…そうね、例えば本を読むとか。」



「本を?!」



何で?といった顔を真実姉に向けると



「そ!あなたは花屋なんだからもっと花の知識を増やしなさい。」



そう言って本棚にある花の図鑑を渡された。



私は意味がわからず本と真実姉を交互に見る。



「じゃぁ、私はまだ仕事があるので…」



真実姉は立ち上がると部屋から出ていってしまった。



(答えは出るって言っても…)



そう思いながらも本を開いた。