そう、真実さんと店長は付き合っているのです!



その上、婚約もしている。


「ですのでお客さま彼女にはもう二度と……近づくな。」



最後の一言が刺さったのかお客さまは何も言わずに帰って行った。



「店長、ありがンッ!」



すると店長はまた真実さんを抱き寄せ、さっきよりも深くキスをした。



私はこういうことになれてないので顔を赤くしながらそそくさと隣の部屋へ行き、予約の花束を作ることにした。



「ん…フッ…」



何度も角度を変えてキスをする。そのたびに真実さんから甘い声が出る。



実は隣の部屋といってもドアがないため丸聞こえ。



顔が暑くてやってらんないよ〜!



「あんまり俺を心配させないで。仕事中なのに身が入らない。」



真実さんを抱き寄せて店長は言う。



「有理…」



キスに翻弄され甘い吐息が交じった声になる真実さん。



こんなんじゃぁ店長が目を放せなくなるのは当然。



その後は何もなかったように振る舞い、仕事を続ける。ここがやっぱり大人だなぁと思うところ。



あたしだったら……



「あのー、店員さん…」



「あ、はい!」



なんて考え事をしているんじゃなかった。



あー忙しい!