と優しい笑顔で言ってきた。



車のなかでも止まることのなかった騒がしい胸の音がまた早くなった気がした。



この人は私を死なす気なの?と思ってしまう。



つい何週間か前に出会った人と、お食事をするまでの仲になるなんて夢にも思わなかった。



その上…好きになるなんて…



伝えたいけど…やっぱりダメ。私にはそこまでの度胸はない。



それにこういう関係にまでなれたんだから欲張っちゃダメだよ!



私は心に言い聞かせた。





「ここの夜景がとっても綺麗だって先輩に聞いたんだ。…結維ちゃんはこういうの…好き?」



「はい!きっとこんなに綺麗な夜景を嫌いなんていう人はなかなかいませんよ。」



本当に言葉では言い表わせないほど綺麗。こんな所に連れてきてくれるなんて。



知らないうちに笑みがこぼれてくる。



「そっか。それならよかった。」



安心したような笑顔を私に向けた。



「何だか今日、初めて神田さんの笑顔を見た気がします。」



そう言って笑うと



「そりゃぁ緊張してるからね。」



「えっ?神田さんも緊張するんですか?」