「いえ、早くに駆け付けることが出来て良かった。」



「ホントに。あの時、神田さんが来てくれなかったら……」



本当にそう思った。一人だったらどうしていいかわからなかった。



(あ、そうだ!!)



「あの、今日のお礼にどこか食事に行きませんか?」



ちょっとあたしにしては大胆な行動だけど、何だかとても会いたくなった。



少しでも神田さんと一緒に居たい…



あたしは神田さんに恋してしまった。



「え、本当?」



「はい。神田さんがよければ。」



「嬉しいな!その代わりお金は僕が払う。それでいいね?」



「え、それなら割勘でも」



焦ってそう言い掛けると



「頼むから僕に払わせて。」


頭の中で神田さんが「お願い」というような顔を思い浮べると、何も言えなかった。



「…わかりました。お願いします。」



「それじゃぁ、次の日曜日はどう?その日なら僕も空いているんだけど。」



「はい、私も大丈夫です!…あ……」



そういえば、食事をする場所を考えていなかった……思い付きで誘ってしまったから…。



「ん?どうかした?」



「すいません。誘ったにもかかわらず食事の場所を決めていなくて…」



恥ずかしくて顔が真っ赤になっているだろう。



「じゃぁ、場所は僕が決めるよ。5時頃になったら迎えに行くから。」