「あの、先生!」 思わず立ち上がる私を、友也はそっと制止する。 いけない、ちょっと興奮しちゃった。 ゆっくりと座り直すと、先生はにっこりと微笑んだ。 「もう大丈夫ですよお母さん。心配しないで。病気はなかったから」 「え?本当ですか?良かったぁ…」 ホッとするため息が、友也からも聞こえる。 子供を返してもらい、抱きしめながら涙が止まらなかった。 良かった。 本当に…良かった。