先生は、50代前半のベテラン女医先生。
優しく穏やかで、でも優秀な先生と評判なのだ。
「安藤さん。調子はどうですか?」
先生は、母子手帳を眺めながら、私に言った。
「時々、腰が痛くなるくらいで、特に変わりありません」
そう言うと、先生は穏やかに微笑んだ。
「そうですか。良かった。じゃあ、いつもの様に赤ちゃんを見ましょうか」
すぐ横には、ベッドがあり、ここでエコーが見れるんだけど・・・。
電気を消し、仰向けに寝た私のお腹に、いつも通りジェルが濡られていく。
エコーの機械を滑りやすくする為なんだけど、これがすごく、くすぐったい。
毎回、笑いを堪えるのに必死なんだよね。