私達の間には珍しく沈黙が落ち、私は頭の中でぐるぐる同じことを考え続けた。


オレンジ色に染まる夕日を見てると、なんだか切なくなってマイナスなことを考えてしまいそうだ。


なのに・・・・・、


考えたくもないのに、

自分の目的も果たせないまま、

そのことばかりが気なって、

頭がぼーっとする。



するとその刹那、冷たい風が頬を刺し、我に返った。


今いるのは、恭にいの家の手前の曲がり角。



――もう時間がない!


私は角にさしかかった瞬間、私は迷いなく動いた。


鞄に手をかけ、恭にいを呼びとめる。


「――恭にい、あのねっ!」


勇気を振り絞って出した声。


でも、恭にいは遠くにある何かを見つめ、振り向いてもくれない……。


……何で?