あぁーー!


何言ってんだ、私!!


私は思わず顔を歪める。


ダメだ、私……。


自分を怒り、そして、また落ち込む。


「……別にそんなことねーよ。」


「またまたぁ~。いつもいっぱいもらってるじゃん。」


私はふざけて平静を装いながら、恭にいの鞄を盗み見る。


やっぱりゴツゴツ膨らんでるじゃん……。


恭にいはモテモテだからなぁ。



――そういえば、恭にいって彼女いるのかな?


あんまり考えたことがなかった。


あんなにモテてるのに一度も聞いたことがない。


これだけそばにいる私が知らないんだ、たぶんいないよね……。