「…いやぁ…すごいね」


転入してわずか一日。まさか貰ったばかりの教科書が次の日には見るも無残に…。


目の前に広がる光景に、尊敬する。何が起きたかって?それはもう無残としか言えないだ。


「…ふえっ…ぐすっ…」


隣で泣いている百合子ちゃんの頭を撫でながらため息をついた。


ビリビリに破られた教科書に落書きされた机。


百合子ちゃんはずっと一人で耐えてきたんだ。


「…うーん…。よしっ!百合子ちゃん、今日の放課後までこれで頑張ろう!後で何とかしとくからね!」


「…えっ?…でもこれじゃ教科書使えないし…」


「…ふふふ…。大丈夫よ!任せといて…」



密かに闘志を燃やすあたしを、百合子ちゃんは不思議そうに見ていた。


全く…女の子の仕返しは恐いんだからね!