「……やっぱり、村長は貴方が獣混じりだと、知ってるんですね……」
もしかして、と思った。
自分の事もあるから、村長は深く考えず彼等を雇ったのかも、と。
だが、あの抜け目のない人に限って、やはり有り得なかったのだ。
けれど、どうして。
「そりゃ、必要だったからじゃねえの?」
思考の海に沈んでいたロビンは、弾かれたように顔を上げた。
「必要? どういう意味ですか?」
困惑するロビンを他所に、彼は、痛みに顔をしかめつつ、放置された自分の荷物に近づいた。そこに腰を下ろすと、中を漁り始める。
「そのままの意味だよ、と……あった」
やがて、取り出したのは黒光りするL字型の物体。
「そ、それって……」
ごくり、と唾を飲み込むロビンに笑い返し、コウヤは二丁の拳銃を、腰に吊るしたホルスターに仕舞い込んだ。

