青空と銃声


全国民が強制的に、年齢に達した時点でその検診を受け、獣の血が混じっていないかどうかを調べているのだ。

その検診で、陰性反応が出れば、純ヒト。

もしも陽性反応が出れば、さらに詳しい検査の後に等級を付けられ、場合によっては施設送りとなる。



今でこそ、見つけた時点で即収容所送りはないが、それでも第三種指定、つまり最も血の濃い獣混じりだと判断されれば、施設で一生を過ごす事になる。

唯でさえ、普通のヒトより何倍も身体能力や回復力が高い彼らだ。
見た目も違う。第二種指定でも、時々体のある部位が、人ではない。
そして欲望に忠実で、凶悪。

一般の純血人種に、差別意識があるのは当然と言えた。

それは例え、狩りの本拠地と言われる、皇立収容所が潰れた現代であっても変わらない。

都市部ではともかく、辺境の村では今でも、『獣』に対する嫌悪感は強い。

ロビンの住むこの村も、そうだ。


そうであった、はずなのに。



あまりの衝撃に声を失ったロビンの視線は、必然的にコウヤの異色の髪や瞳や、よく見れば普通よりも尖った犬歯を辿っていた。