「そういえば、先輩。

先輩って呼んでるの、気付いてないっすね」


イタズラっぽく笑った大箸くんは、あたしの隣の席に座る。


向かいあわせ。


目と目があう。


恥ずかしくて、目をそらした。


「どういうこと?」


「俺、先輩だってこと、知らないはずじゃないっすか」


言ってることがわかんない。


また目を丸くしてたら、席をたって黒板に図を描いた。


律儀な人だ。