「絶対にならないから」
私は強くアイツを睨んでから教室を出ていった。

何よ、何よ、何よ!
意味が分かんない!!
どういう風の吹き回しなのよ?!
絶対に彼女なんかにならないんだから!


亘side―…

勢い良く俺を睨んであの女は教室を出ていった。
ネコだな。
「アイツ、何もしなければ普通に好みな顔してんだけどな…」

ま、性格はいじったりして面白いから全然嫌いじゃないんだけどね。

見てろよ?
俺の手に掛かればアっという間なんだからさ。


…―翌日。


目の前にターゲットのネコを見つけた。
「おぅ、」
軽く挨拶をしてみた。
すると少し肩が跳ねた気がした。
「…おはよう」
明らかに警戒してんじゃん。
「ちょっと来い」
「え!?ちょッ!」
俺は強引にネコの手を引いて目的地に向かって走り出す。


晴海side―…

いきなり手を引かれてやってきたのは―












…体育館。












って、ちょっと!
そういえば今日は全校朝会だったんだよ!!

もしかして、私が忘れてるのかと思って連れてきてくれたのかな?
そんなに遅れなくてすんだけど、もう始まってるや…。
でも、連れてきてくれたりなんかして結構優しいとこもあるんじゃん。

って、アレ?
私はまだアイツの手によって誘導されている。
向かっているのは自分達のクラスの列と言うよりかはステージ。

え?
待てよ?
当たり前の様にコイツはステージに上ったけど、何で私も?!
全生徒、全先生が私達に視線を集める。
アイツはスピーチしていた校長からマイクを奪い、いきなり訳のわからない事を言い始めた。