春―…
この季節は出逢いの季節でもあり、別れの季節でもある。
そんな私は出逢いの季節だ。
何故なら今日は、坂田高校の入学式だからだ…
因みに只今、学校に向かって歩いてます。

私、澤田 晴海。
坂田高校1年!
彼氏いない歴15年!!
つまり、私の歳と同じなのである。
高校では薔薇色な生活を送るというのが私の目標。彼氏が出来たら毎日愛のこもった私のスペシャル・デラックス弁当を作って、登下校では手を繋いだりして…
―ドン!
「あ、すいません!」
いけない…
また妄想してて周りを見てなかった。
「…ちゃんと前見て歩け、このノロマ」
「…え?」
「ちゃんと歩けと言っているんだけど…ちゃんと俺の話聞こえてんのか?」
カチン!
私の中の入ってはいけないスイッチが起動した。

「はぁい?確かに私はノロマでちょっと前方不注意だったけどちょっとは謝ったらどうなのよ!」
「何で謝るんだ?」
「なッ!?礼儀ってもんがあるじゃな―…」
今気付いた。
入学式に遅れる!
「ヤバ――イ!!!」
「!?」
「遅刻する!!」
こんな奴に関わってないで急がなきゃ!







な、なんとか間に合った!←あれから猛ダッシュして死にそう。
ステージには此処の校長らしき人物がスピーチをしている。
退屈だょ―…
「では、新入生代表として金山 亘さんお願いします」
はぁ―…
新入生代表かぁ〜。
トップになるくらいなんだから真面目な話をするんだろうな…

――!?

一瞬、私には時が止まって見えた…。

「新入生代表としてスピーチさせて頂く金山 亘です」

















アイツだ…。














「きゃ―!」
「亘くぅ―ん!!」
「こっち向いてぇ〜!」
「素敵ィ〜〜♪」

周りではアノ朝の性悪男を見て喜んでる女の子達が騒いでいる。

「さすが有名人だね〜」
「私の王子様☆」

皆はきっと知らないんだ。

アイツの裏の顔を…

表ではキラキラ輝く王子様キャラ
裏では王子様というよりかは王様キャラ。





アイツは、









ライオンなんだよ。