翔さんは急いできたのか息を切らしている。 …これが水も滴るいい男というものか。 なんて思っていると、翔さんは心配そうに私を見つめる。 「大丈夫か…っ」 「へ?あの…」 プールに私達の声だけが響き渡る。 …ん?翔さんが帰ってきたということは…。 「あの…、今何時ですか?」 「今か?今は夜の9時だ」 今の時刻を聞いて仰天した。 私まさか…、プールの上で寝てた…? 人間離れした才能に私は顔をひきつらせた。 …そっか。プールの上で寝ている私を見て、溺れて浮かんでると思ったんだ…。