「俺、昔、夢を見たんだ」


「夢?」


私の問いに、うん、と頷く翔君。


そして話し始める。


「…まだ千春と出逢う前に見た夢なんだけど。

俺と幸せそうに笑ってる女の人が居て、俺の隣にはもっと笑顔の子どもが2人が居るんだ。

その時は変な夢を見たな、としか思わなかったけど…

今は……夢じゃないんだな」


翔君は目を細めて笑いながら私を見ながら言う。


その笑顔はとても幸せそうで─。


私まで笑顔になってしまうような、そんな表情。