「あれ?今日定休日ですか?」 私は店内を見渡しながら言う。 前来たときは賑やかだった店内が今は私達の声だけが響いている。 「んーん。翔が今日来るって聞いて貸し切りにしといた。嫌がる翔を想像しながら」 口に手を当て、横目で翔君に言う昇さん。 「…後で覚えてろよ」 翔君は冷静にコーヒーを飲みながらそう呟いた。 それに昇さんは焦りながら何回も謝る。 その光景が凄く微笑ましくて、自分の頬が勝手に綻(ホコロ)んでしまう。