お世辞でも綺麗とは言えない梨理のおにぎりを翔君は一口で口に入れた。


梨理は真剣な表情で翔君を見つめている。


「美味しいよ。ありがとうな」


感想を待っていたらしく、翔君の感想を聞くと梨理はまたぴょんぴょんジャンプして口を手で押さえた。


そんな梨理の姿を見て、私と翔君は顔を見合わせる。


───本当に幸せ。


この光景をいつも目にしていられることが今の私にとっての生き甲斐だ。


梨理は私達の大事な宝物。