おじさんは梨理には甘く、いつも梨理のおもちゃを買ってきてくれる。


子どものおもちゃにダイヤモンドは要らないと何回言ったことか…。



私は翔君を起こさないように、眠たそうに目を擦る梨理を抱き上げ、寝室を出た。


4年前から変わらないいつもの風景。


私と翔君が初めて出逢って、初めて会話して、初めて同居した場所。


おじさんからこのマンションを頂いてからずっとここに住んでいる。


翔君は新しい一軒家を建てようとしていたが、私はそれを拒んだ。


だって、ここは翔君と出逢た大切な場所だから─。